資産運用の取り崩し方法のシミュレーション一例を考察してみる【結論】お金が増え続ける取り崩し方法の方が、インフレリスクを考えると安心だと思います。

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こんにちは。金融機関から販売マージンなどを受け取っていない中立的なアドバイザーとして講演執筆活動をする佐々木裕平です。

最近、筆者の中で「資産運用の取り崩しシミュレーション」に関する研究が熱いテーマです(笑)。

増やし方に関することも面白いのですが、

取り崩し方も面白いです。

特に、効率良く(お金を大きくしながら、長く、たくさん使うにはどうしたらいいのか?)取り崩す方法に関することが熱いですね。

この方法は、その個人の方の資産額であったり、生き方に関する考え方であったり、家族構成(お金を残すべきか、否か)などによって、正解が異なってくる問題だと思います。

が、基本的には、同様の部分も多いと思います。

ちなみに筆者の精神として「弱気で、安全安心な老後が大好き。無理しない。老後はお金に困りたくない」というコンセプトが基本の考え方としてあります。

ので、それを踏まえた老後のお金の取り崩し方となります。

Contents

結論:老後の資産運用は、継続する。基本的にポートフォリオの期待リターン-1%の範囲内で取り崩す。基本ポートフォリオは全世界株式80%:安全資産20%が大体の人にとってベター化と思う

上記が結論ですが、いろいろと記してみたいと思います。

資産から取り崩す、前提条件として、明らかにしておきたいこと(把握したいこと)

①年間の生活費:いくら必要?(インフレは考慮しない、余裕ある数値)
②65歳から85歳までのiDeCo・企業型確定拠出年金の受給額見込み:年間いくら?(運用は継続するので未確定だが、ざっくりと)
③老齢厚生年金と基礎年金の毎年の受給総額:いくら?
①-②-③=不足額(取り崩し必要額)

上記のようなことは、ざっくりと把握しておきたいと思います。

人によって大きく異なる部分ですが、これを求めることで、

毎年、資産から取り崩す金額が明らかになります。

資産の配分(ポートフォリオ)は全世界株式インデックス型投資信託一本と預貯金+個人向け国債変動10年と老後に向かって打破したい神話

さて、資産運用は基本的にポートフォリオありきで考えます。

老齢期には打破したい間違った常識として次のようなことがあると思います。

  • 老後は資産運用をしない方が無難
  • 老後はローリスクが良い
  • 老後はバランス型やターゲットイヤー型が安全
  • 老後は分配型投資信託や、配当重視の個別株が良い
  • 老後はもう年だから、資産運用をしない、する時間がない

・・・・・・まあ、良くある話だと思います。

ですが、これらは新しい時代の金融リテラシーとしては、かなり古い、間違っている、というのは言い過ぎかもしれませんが、

もう少し、柔軟にシミュレーションして、比較してほしいと思います。

様々な方法でシミュレーション比較すると、次のようなことが明らかになります。

  • 老後は資産運用をした方が、お金が大きく長く使えて安心感が増す
  • 老後も、現役時代と引き続き、全世界株式インデックス型投資信託でハイリスクな投資対象の方が良い→リスク自体は、安全資産の分量でコントロール可能→また、老後が一番お金持ちなので、基本的に安全に資産運用がしやすい
  • 老後も、バランス型やターゲットイヤー型は不要。わざわざお金が増えにくく、効率の悪い、(全世界と同じリターンを得るのに)大量のお金が必要な投資信託を選ぶ必要はない
  • 老後は分配型投資信託や、配当重視の個別株が良い→お金に色はないので、単純に効率が良い全世界インデックス型投資信託の方が良い
  • 老後はもう年だから、資産運用をしない、する時間がない→65歳から120歳まで55年間もある。平均寿命は(コロナ期を除いて)延長傾向が続いている。いまの現役世代は(特に女性は)120歳までを見越しておくと良い

以上のことから、老後のポートフォリオの配分としては、

全世界インデックス型投資信託80%と安全資産20%が、多くの人にとってはベターかと、ざっくりと現時点では思います。

基本的な老後の資産の取り崩し方一例 全世界株式がプラスの年は、全世界インデックス型投資信託から資産全体額の3%取り崩す マイナスの年は、預貯金から資産全体額の3%を取り崩す

ポートフォリオの期待リターンが+4%長期金利、だとした場合、

年間3%取り崩していく、とします。

65歳時点の資産が6,000万円の場合、180万円ですね。

公的年金とiDeCo・企業型確定拠出年金の合算+180万円で、一年間生活する、ということですね。

4%-3%=+1% となり、単純計算では、長期的にお金が増えていく計算の取り崩し方です。

筆者の精神的に、お金が減り続ける取り崩し方法は、怖いのです。

将来的に、インフレリスクが怖いのですね。

65歳時点の資産が6,000万円の場合、80:20のポートフォリオですと、

全世界株式が4,800万円 : 安全資産1,200万円からのスタートです。

世界経済が不調のマイナスの年は、安全資産からのみ取り崩します。

リバランスは数年に一度します(大きく崩れていなければしなくても良い)。

iDeCo・企業型確定拠出年金(企業型DC/マッチング拠出含む)の取り崩し方法は、65歳から20年間の分割取り崩し&20年間運用継続! 

iDeCo・企業型確定拠出年金のお金は、基本的に65歳から20年間分割で取り崩すのが良いと思います。

しかも、運用は継続します。

その方が、シミュレーション上、お金が大きく長く使えるからですね。

65歳から20年間ですので、85歳まで、となります。

85歳になると、徐々に足腰が弱り、遊興費などが減ってくるものと思われます。

ここも筆者の考え方によりますが、出来るだけ元気なうちに、お金を使う(けどその後の生活には困りたくない)という思いをかなえるのにも、この方法が良いと思います。

老後の資産運用の取り崩しシミュレーションを、条件を変えて、いろいろと行ってみるたびに、いろいろな発見があり、楽しいです。

また、そうすることで、真の意味で、お金を増やすことの重要性や、楽しさ、難しさなどが見えてくると思います。

また一つ、資産運用のことが、一本の線で太くつながったように思います。

これからもいろいろな研究を進めてみたいと思います。それでは。また。

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