オリンピック開催に浮かれる日本で島耕作は将来のトラブルを想定していた
こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
私は「島耕作」シリーズが好きです。
先日、「会長 島耕作」を読み返していると、非常に驚く発見がありました。
時は2013年、会長に就任したばかりの島耕作さん。
時を同じくして、世の中は7年後に開催の決まった東京オリンピックの「陽」の部分にスポットを当てていました。
- これから景気が良くなる。
- インフラも整備される。
- 観光やホテル業がますます栄える。
このような明るい話題ですね。
ところが島耕作さんだけは、オリンピックがうまく行かなかった場合、多大な損害を被ることを危惧します。
これからの7年間は地球におとなしくしていてくれと願うしかない、などというような言葉で締めています。
もちろんこの当時は、東日本大震災による大地震・大津波、そして原発事故を想定しての未来に対する危惧でした。
そしてその予想は「実に意外な形」で現実になってしまいました。
もしオリンピックが今年なければ、いろいろと政府の対応や経済に与える影響も変わっていたかもしれません。
まさに「禍福は糾える縄の如し」かと思います。
ちなみにこの「禍福は糾える縄の如し」というのは、資産形成におけるリスク(標準偏差)の特徴を上手に言い表した言葉だと、私は考えています。
値動きの発生頻度・分散を統計的にとって見ると、最も高い発生確率である期待リターンを中心に、禍福(プラスとマイナス)がきれいに正規分布することが知られているからです。
何のことでしょうか。
それはつまり、期待リターンを中心とすると、良いことと悪いことの発生頻度はほぼ同じ、ということです。
だから「禍福は糾える縄の如し」だと思うのです。
そして株価は人間の営みそのものです。
ということは、人生における禍福も同じように発生するのではないでしょうか。
いま、厳しい現状に置かれている人がたくさんいます。
しかしこのマイナスの後には、同じようなプラスが訪れるはずです。
そして統計的には期待リターンがプラスである以上、長い目で見れば成長をしていく、つまり、人生も良くなっていくのではないでしょうか。
(※そのため、長期分散積み立て投資を行っていると、資産形成に有効性があるのではないか、と私は考えています)
それではまた。