Contents
どうして投資信託ランキングには毎月分配型が多いのか?
答え:誤解していいる人が多いから
投資信託にも、ランキングがあります。
簡単に言うと、人気があるか・ないか? というランキングです。
ちなみに投資信託とは、たくさんの会社の株などが入った、複合的な金融商品です。乱暴にいうと、「福袋」みたいなものです(文字通り、あまり良くないものも入っていることもあります)。
そして、上位には
「毎月分配型」
というタイプが多いことに気がつかされます。
これはなぜでしょうか?
その理由は「勘違い」です。
これを解説するには
「そもそも、毎月分配型の投資信託とはどのような物でしょうか?」
というところから解説をしていかなくてはいけません。
あまり知られていない毎月分配型の落とし穴
まず、毎月分配型とは、読んで字のごとく、「毎月、分配金を支払いますよ」という投資信託です。
ヽ(^o^)丿「毎月、分配金をくれるなんてすごい! 分配金って利益のことでしょう?」
いいえ、利益のことだけではありません。
実は、投資信託の利益には2種類あります。
・一つは、利益です。これは、普通分配金と呼ばれます。
・もう一つは、元本払い戻し金です。これは特別分配金と呼ばれます。
後者がちょっと良くわかりませんね。
もうすこし詳しく解説しましょう。
元本払い戻し金(特別分配金)とは、投資信託の成績が振るわない時に、あなたが投資したお金を取り崩して支払われるお金です。簡単に言うと、「得をしていないお金・高い手数料を支払って自分のお金が戻ってきただけ」です。
でも、一応、分配しているので分配金と呼んでいます。紛らわしいですね。
つまり、毎月分配金型の投資信託を買っても、毎月、利益は受け取れないのです。
それどころか、元本を割り込むことや、損をすることもあります。これは、どの金融商品でも起こりうることです。投資をする以上、避けては通れない道ですね。
ですが、こんな、当たり前にも思える「分配金には2種類あり、必ずしも、毎月利益が受け取れるわけではないことを知っている人は、あまり多くありません。
個人投資家百人中、どのくらいの人が、この事実を知っていると思いますか?
正解は、約37%です。すなわち、百人中37人くらいしか知りません。
他の60人くらいのかたは、「毎月分配型の投資信託を買っておけば、毎月利益が出る」と思い込んでいるのです。
では、冒頭の質問をもう一度。「投資信託ランキングに毎月分配型が多いワケ」ですが・・・。
「毎月分配型を買っておけば、毎月利益が出る=儲かる」と誤解をしている人が多いから、です。
そもそも、分配金の利回りには、あまり根拠がありません。ですから、人気が出やすいように、高い利回りを設定しているだけの投資信託もあります。結果として、元本を下回ったり、元本払い戻し金(特別分配金)ばかりが戻ってくるだけの投資信託もあります。
投資信託を選ぶ際は、目先の利回りの大きさだけに惑わされないようにしましょう。